クーポン券
名古屋では近頃クーポン券が流行しています。
クーポン券とは、お店の割引券のことです。雑誌についていたり、チラシについていたり、近頃ではインターネットのお店情報の中にあったりします(その場合は印刷して使います)。
その券を持って行くと、商品が1割引になったり、千円引きになったりするというものです。
クーポン券があるのは名古屋の商店だけではなく、全国的なことだと思いますが、東京や大阪ではそれがあまりはやらないのに対して、名古屋ではちょっとした流行なのです。名古屋やその周辺地域では、クーポン券満載のミニコミ誌(無料配布のものが主流)が数多く登場しています。
なぜ、名古屋だけクーポン券がはやるのでしょうか?
その理由は、東京の人はそんな割引券を持って行ってショッピングするのを格好悪がって嫌い、大阪の人はそんな券がなくても自分で値切って買うからだそうです。名古屋人は、値切るほどの押しの強さはないけれど、お得なクーポン券を持って行って安く買えることが好きなのです。
「名古屋人が喫茶店に入ったら」という次のような小咄があります。
東京人と大阪人と名古屋人の3人が、喫茶店に入った。
さて店を出ようとレジに向かったとき...
東京人は「どうやったら、3人分の料金を気持ちよく払うことができるか」を考えていた。
大阪人は「どうしたら、自分の分だけ支払えば済むか」と考えていた。
その時、名古屋人は「おごってもらったお礼をどうやって言おうか」と考えていた。
別に名古屋人の悪口を言うつもりはありません。「お値打ち」なものに敏感というのは、名古屋人の堅実さをよく表していますが、決して悪いことではありません。
しかし、お店の経営者にとっては、厳しい土地柄だと言えるでしょう。
クーポン券がお客さんを引き寄せてくれるのであれば、どんどん活用すればいいのですが、単純に全品1割引(あるいは2割引)なんてクーポン券を出そうものなら、利益率が大幅に悪化して、お客さんは増えたけれど、いそがしい思いをしただけで全然儲からなかったということになりかねません。
「くたびれ儲けの骨折り損」という言葉がありますが、そんなことにならないように、きちんと利益の上がる方法を検討した上でクーポン券を活用すべきでしょう。
(2004年8月18日)