ヨーロッパ放浪記   〜  酔うロッパ放労記  〜


15 《パリ 1》 〜最悪

7月11日(火) (19日目)

最悪・・・・・・・・・・・・・・・
旅は、ほんとに良いことと悪いことの繰り返し
昨日のハッピーな気分は、一転奈落の底まで落ち込むことに

ないのです

マルセーユ発の夜行でパリのリヨンドゲール駅に着いた
ゆうべのちょっと飲み過ぎのお酒のせいか
何度も途中トイレに起きたが、ねぼけまなこでフト気が付くと
メガネがないのです
裸眼だと左は0.1を切る近視の私はメガネがないと何も見えないのです

ちょーど朝方7時頃かなあ
気が付いたら、前の席の背中の倒すテーブルの上のメガネがないのです
持ち込んだビールやつまみをいれてあった袋の中か、と探してみたけれどココも無し
トイレに置き忘れたかと思ってトイレの床とか、棚とか全部さがしてみたけれど
ココも無し
席の下に落ちてしまったかもしれないと探したけれどココもなし

あああああ
やられたのです

ふつうメガネを盗るかー

まだ信じられなくて、車掌に見よう見まねで(英語が通じない)
紙にメガネの絵を描いて、無い、無い と叫ぶ
一緒に席の周りも探してくれたけれど
もうこの車両は次の発車の準備をしなければならない、
と、駅長室までの地図を書いてもらう

掲示板や、標識もぼやけて見える中
うろうろする
フロも2日入っていないから汚かっただろうなー
ヒゲもしっかり伸びているから浮浪者だな まるで

落とし物で届けがあるか期待して
駅長室まで行った俺はもうどうかしちまっていたようです

これからいっぱい美術館をまわって絵画をみてやろうという矢先のことです
ばかだったなあ
ユーレイルだから、良い席とればいいのに
何やらいっぱい人の出入りする車両だなあと思っていたものの
まさかなあ
盗ってもメガネ、度数あわないじゃないの
フレームだって安いローカルなキクチメガネのもの

酔っぱらってメガネをおいてトイレに行っている間しか考えられない
寝ているから、朝までメガネのことなんか気にもしなかった

ああどうしよう
落胆の底までたたき落とされた気分
英語が思ったほど通じないせいか、余計にめげてしまった
それでも、これから6泊するところを探さなきゃいけない
フロも入りたい
「命まで盗られたんじゃない」からよしとして
気分一転がんばる
(この時点で、パリで新しくメガネをつくるという発想はなかった)

いっしょうけんめい、ユースホステルの本で探す
電話なんか、かけれやしない
現地まで行って交渉だ

メガネより宿探しを優先して
それでも地下鉄乗り放題の
地下鉄30分



(以下次号へ続く)
次号 16.《パリ 2》 〜うちひしがれてもGambetta


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