ヨーロッパ放浪記

-----------------------------(酔うロッパ放労記)

 

3.《ロンドン》

  〜なんでこんなに腹が立つほどビールがうまいのだ!

前回、書き忘れてしまったこと・・・
飛行機の中で観た映画は“海の上のピアニスト”と“Mr.ビーン”だった
久しく映画なんて観てなかったものだから
最後はやることがなくなる飛行機のなかで、ついつい感動屋のわたしは、
涙を流して泣いたり、笑ったりしてしまった

海の上のピアニストでは主人公の名言が印象に残った
「音楽には始まりと終わりが有る、都会には終わりが無い、きりがない」
パソコンを代表とする消費社会の目まぐるしさ、信じるものなんてあるのかしらん

と誰もが感じ始めている現代を痛烈に咎めていた
日本に帰ったらビデオを借りてもういちど見ようと思ったものだ
ここから、わたしのゲージュツのこころがうずきだしたのかもしれない
考えてみれば、美術館めぐりをしたのも、この主人公の台詞が根底にあったかもしれない


さて前回の続き

入国審査 これは英語なら楽勝だぞと思いきや、

How many days do you stay in London?
に対して,緊張のあまり
Just sightseeing….
と答えているようじゃだーめだーめ
黒人の審査兄ちゃんに笑われてしまった

あれ、これで宿なんかほんとに探せれるのかしらんと思いながら

一応、1万円分をポンドに両替後
夕方近くということもあり電話でユースホステルをあたり
ラッキーにも2軒目でGET! ただし1晩だけ

ちょっと郊外のHampstead Heath Y.H. 19.7£
一晩だけでもよい。最初の夜から野宿は避けたかった

背の高い人が多いせいか、おもちゃに見える
実際小さいチューブ(地下鉄)
縦横無尽に走っていてわけがわからん
こっちが聞きたい位なのに、なぜか現地の人間に行先を尋ねられる
わたしのお人よしの顔は世界に通じるのか?
行き先がわかれば私は苦労しないっちゅうの!
旅の終わりには厳しい顔になるよう努力しようと思ってはみたが・・・


宿に着いたらまずシャワーだ
冷たい。どれだけひねっても み・水だ 風呂はしばらく無理と覚悟していたものの
おおさむ
Y.H.
はどこかの小学生の合宿らしく賑わっていた
あと、これからあと大抵のところで見かけたがインターネットカフェの普及に感動
10分単位の時間制でメールを使うことができた
自分の日本のメールアドレス宛にローマ字を打ってみた(これは、私のメールBOXにちゃんと入っていた)

 

London ni buji tsuita.
Yado mo 1nichi dakedakedo nantoka nitsukatta.

Internet Cafe - please do not reply to this address -

差出人はnobody@chalfont.mail.easynet.net となっていた

シャワーの後はお待ちかねパブだパブだ
こんな郊外にもちゃんとパブは有る
少し肌寒い降り出しそうな夕暮れのなか
Y.H.
から徒歩20分
そこでやったぜ Giness one pint please! 2.3£

めしは Fish & Tips
コーン油か、サックリとおいしく揚がっている
これでもかというくらいの量のポテト
無茶苦茶ビールがうまい うーん何杯でもいってしまいそうだ
しかも安いじゃないか 涙が出る
most famous beer
を尋ね
Old Speckled Hen one pint 2.3£
うーん疲れもあるせいか、くるくるまわる
もう自分が42歳である事もプーな事も忘れてしまった
ここで、なんでこんなにビールがうまいのか考えた
湿度だ きっと湿度に違いない
小雨がすごし降るのだが全然ジトジトしていない
空気が乾燥しているからビールがのどを潤すのだ きっと。

名古屋に帰ったらクーラーをいれてビールを飲んでみよう
と、ひとりで納得していた

無事着いて、宿を確保したことを絵葉書に書き
明日はどうしようかしらんと少し考えながら寝た

翌朝6月24日(土)(第2日目)
朝飯がついているからY.H.は楽だ
飯を食ったら市内見物に・・・
今夜もロンドンでちがうY.H.を探さなあかんのか
週末は市内は難しいかもしれない と勝手に推測し電車に乗って
どこか別のところに行こうと決心(ケンブリッジだ)

市内観光はOneday ticketを購入 .9£
週末でもあり、バッキンガム宮殿の衛兵の交代を見に行く
これはそれを見るより、それを観に来るその観客の数に驚いた

St.James Park Hot dogを頬張りながら闊歩 ビッグベンへ

ピーターパンでみたやつの本物だ!とピーターパンのわたしは思わず感動した
道中、缶ビールXXXX500ml 75ペンス を飲む

ナショナルギャラリーはいっちょまえに文化人の端くれのような顔でみた
絵画全集でしかみたことのない有名な作品を目の当たりにすると
何ともいえない感動を覚えるものだ
そこで、偶然にも飛行機でとなりだった彼女が友人(やっぱ男だったな)と
一緒にいるところ発見(あっそうそう彼女もプーだということを書き忘れた)
あえて声もかけず、そのままソーホー地区をぶらぶらした
屋根のない2階建てバスには驚いたな
ああ、そうだった荷物はしこたま重いので主要駅のコインロッカーにあずけて
身軽になって歩いた
だんだん、こういう要領は身をもって覚えていくみたいだ
でも一番肝心な宿が後回しだ、これに時間をとられるのが一番あほらしい
連泊が理想だと思いつつ、この日も行き当たりばったりになりそうだ
駅ではタクシーを横目で見つつ、これから先もビンボーだ
歩く代わりにビールを飲もうと心に誓い
Oneday ticket
を地下鉄の出口でダフ屋に1£で売りつけ
それでまたキングスクロス駅のスタンドパブでまた飲む
STELLA ARTOIS 1 pint

Giness 1 pint

パブのカウンターで働く人達はなんであんなに楽しそうなのだろう
酔うからそう見えるのではなく、ほんとうに楽しそうだ
仕事はこうでなくちゃいけないと、自分に言い聞かせる

なんか順調そうに旅を続けているように書いてしまうが
実は、普通の人だったらもっと要領よく、倍楽しむところを
不器用に倍、いや3倍以上の時間を使っている自分が悲しい
ケンブリッジ行きの往復切符を買って電車に乗るのにどれだけ苦労したか・・・
でも、人の失敗談は蜜の味かもしれないけど、苦労話は面白くないもんな
自分では大変なことでも、他人が見たらなんだ大した事じゃないってことかもしれない
仕事、人生の悩みについても然り
つらいだとか、しんどいだとか、忙しいというのは傍迷惑なのかもしれない
パブの兄ちゃんや姉ちゃんみたいに、人を楽しくさせるプラス思考でいたいものだ

さて、宿も決まっていないケンブリッジへと話は続く・・・
あっそうそう、向こうの駅には改札口がないのに最初とまどった

でも無賃乗車はさすがにしようとは思わなかったなあ

 

(以下次号へ続く)
次号、4.ケンブリッジ ニューマーケット

 

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