ヨーロッパ放浪記
-----------------------------(酔うロッパ放労記)
4.《ケンブリッジ、ニューマーケット》
〜学問する地の近くになんで競馬場があるのか
なぜケンブリッジだったのか
週末のこともあり、市内より郊外だというのもあったが
答えは簡単である 競馬の本場でレースが見たい
馬券を買ってみたい 勝ってリッチに旅行してみたい
インフォメーションできいたところ
ロンドンの近くにも競馬場はあったようだが、開催日が合わない
どうしてもやるならロンドンに何泊もしなければならない
ロンドンでは物価が高い
それなら近くで他にないかさがしたらニューマーケットがあった
ひょっとしたらそこでならやれるかもしれない
という、ヨコシマな考えでニューマーケットの近く
ケンブリッジ(学生たちの町)に足を運んだのである
でも、ユーレイルパスは英国では使えない
ロンドンからの往復切符は別途調達した(18.8£)
ケンブリッジの駅で切手を買い我が家と友人ヤマコに絵葉書をだした
ケンブリッジの駅でパンクした自転車を拾った
乗りにくかったがお目当てのY.H.を探すには最適であった
でもどこもかしかこもY.H.は満杯
仕方なくちょっと奮発、B&Bに一晩宿を取る
BED & BREAKFAST とはよく言ったもんだ
私としては晩飯をどうするかがこれから先、一番の問題になるのだが
昼飯はサンドイッチかハンバーガで済む、
でも、夜はパブに行けばなんとかなると思いきや
パブは夜は酒しかやらない、つまみもスナック菓子だ
かといってひとりでレストランに入る勇気も無い
ギネス1PINTとスナック菓子
B&Bに戻ってコンビニで買ったまずーいカレーヌードルを
備え付けの湯沸しで湯をわかして食べた
ああ惨め
でも、シャワーから湯が出たときは涙がでた
よーし明日はニューマーケットでひと稼ぎだあ
と床に入る
あっそうそう、こちらに来て最初の猫がB&Bで迎えてくれた
6月25日(日)(3日目)
ヨーロッパの朝飯はまずいが、
イギリスの朝飯だけは別だ(そうEngland
Breakfast)という耳学問で
それはもう、朝食は期待していた
誰よりも早く、そのB&B、一般家庭(普段は学生たちのための下宿屋)の食卓についた
決してその期待を裏切ることなく(単に腹が減っていた?)
やさしそうな髭のお父さんがコックを気取り、One
minute waiting とか言って
椅子をひいてくれそそくさと用意してくれた
うーん昨日の食生活を思えば何でもおいしく感じるぞ
そう、酔うロッパ放浪記を続ける中で、いつも朝食をリッチに食べた
というのも、たいていのY.H.に朝食がつくし、パンもおかわり自由だからだ
写真のとおりだが
わたしはあの薄い小さな三角トーストが大好きだ(何枚も食べたなあ)
あとカリカリベーコン、ソーセージとどちらにする
とか聞かれたが、Both!って答えてしまった
さてお世話になったB&Bを後にして
すぐそばのY.H.に今夜の宿を確保する
重いバックパックを預け、駅からのバスに乗り、いざニューマ−ケットへ
だいたい、学問をするべき地の近くになぜ競馬場なんかあるのだ
万が一、自分が何かの間違いでこの地に学びに来ていたとしたら
ニューマーケットに通いづめで
おそらくこの地でも7年大学に通った、いや何年かかっても卒業できなかっただろう
でもね、競馬をギャンブルとしてだけでとらえてはいけない
もっと奥深いなにかがあるんだきっと(と、またひとりよがりで考察する)
ニュートンやソクラテスも、もしその時代ケーバがあったら
やったに違いない
発明や発見ももっと湧き出たかもしれない
なあんちゃってね
なぜ、人は競馬をするのだろう・・・・
馬は人と比べ、寿命の短さのためその世代を何代も見ることが出来る
血統ってやつですな
生命が永遠であるかのごとくその性質というか主体が残っていくのを
目の当たりにすることができる。
永遠を垣間見るのかもしれない
これが安心感を呼ぶというか自分って何?って確かめれる気がするんだな
クローンができてしまうようになると意味がなくなり面白くないが
ここで自分を含めて命が終わってしまうのが
こわくてこわくてこわくて
どうしようもないのかもしれない
といつも自分に黙って言い聞かせている
(余談)
ほんの25世代さかのぼっただけで祖先の数は67,108,862人になる
(2の26乗)
この内1人でも欠けると自分は存在しないのだ、ということ
そいでもって、ほんの2分前後で100円が1万円になったりするものだから
競馬はタチが悪い・・・ああ歳取ってからこんなものにハマルのではなかった
いざ現地ニューマーケットにつくとなんと日本なら日曜日は競馬をやる曜日なのに
こちらは休みとのこと
ガーン、でもガイドブックにのっていた競馬博物館はやっていた
サラブレッドの父ハイペリオンの銅像に会ってきた
うーん競馬のルーツを見たって感じだな
これで日本に帰ったら少しは変わるかな(競馬に勝てるかな)
ああもういい、あらぬ事を考えながら馬の博物館で午前中時間が過ぎてしまった
昼飯はパブだパブだ
また元気のいいねえちゃんをデジカメで撮って
ギネス1pintとラガー1pintとでっかいサンドイッチだ
かくして競馬で一儲けして豪華レストランは夢に終わった・・・・
そそくさとニューマットを去り、午後早くケンブリッジに戻る
拾った自転車はもうパンクの域を越えていて使いようも無い
ケンブリッジの町は自転車がないとどうしようもない
ついにレンタサイクルを借りる collegeの町を大いに走り回ってやろうじゃないか
勉強不足のわたしは知らなかったが
ケンブリッジ大学というものがてっきりあるものと思っていた
各種collegeの集合体をいうとはつゆ知らずであった
でも大学7年も行った関係か?この学生たちの町の空気は大好きだ
あたかもこの町の住人を気取り
教会なのか校舎なのか区別がつかない建物、
いりくんだその石畳風の路地をチャリンコで駆け抜けると
TV−CMのワンシーンを自分が演じている気になってくる
ああ、学問はこういうところで育まれるのだと思った
どうしても見たかったSt.John’s
Collegeのため息の橋
時間切れでこの日は見れずじまい
日曜のせいかケムズ川の川下りは大変な賑わいだ
ひらぺったい船がおしゃれなスコットランド兄さんのながーい杖みたいな棒さばきで
下っていく ああイギリスにおれはいるんだなあ とため息がでた
晩飯は勇気をだしてレストランと思ったものの、迷った挙句
(ひとりで入る勇気がない!)
結局スーパーでスパゲッティとワインとチーズと缶ビールを買って帰る
自炊のできるYHだったので、洗濯機で洗濯しながらスパゲッティをゆでた
缶ビール500mlとスペインのワイン1本ひとりでたいらげる
YHは4−5人のドミトリー、
同室のUSAオハイオのクリスとハワイオアフのイマイと知り合う
YHでの会話はみな英語だ、いろんな国から集まってくるので
みんな英語でコミュニケーションだ
一緒に写真をとりメールの交換だ
その晩、遅く帰ってきた他の同室のでっかい図体のUSAじいさんが
ライオン以上の豪快この上ない、いびきで散々だった
クリスとイマイは夜中とても我慢できず、部屋をとびだし他の部屋に替えてもらったようだ
翌朝、無料の朝飯をクリスと食べ、いっしょにアイルランドへ行こうと誘われたが
ことわり、ヨーロッパ本土に渡ることを決めた
食事中、気がついたのだがYHにロリコンおやじが若い娘と二人で旅しているのが目についた
そのときの二人はロシア系だったが、なんと助平な親父だと思った。
あとあとわかるのだが、ロリコンではなく本当の親子が実に多いそうである
父親と娘、娘が高校生か20歳になるくらいのとき、ひとり旅ではかわいそうだということで
安いYHを利用して親子一緒に見聞を高めようということだそうだ
うーんうらやましいというか、日本の親子もかくあるなんと思った
さて、いよいよユーロスターだ
(ロンドンからパリorブリュッセルまでドーバー海峡を海中トンネルでわたる超高速列車)
その前に午前中あいている時間をつかって
もう一度、学生たちの町をみていこう
6月26日(月)午前中からは次号で
(以下次号へ続く)
次号、5.ユーロスター